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2006年9月29日 (金)

柳澤厚労相記者会見

柳澤新厚生労働大臣の共同記者会見の模様がアップされています。

http://www.mhlw.go.jp/kaiken/daijin/2006/09/k0927.html

(記者)  幹事からの代表質問最後ですが、この間厚生労働省の場合は社会保障関係の大きな話題が続いていまして、今度は労働の面で労働契約法制、労働時間法制についてですね、今審議会で議論が進んでいますが労使の中にも非常に対立点も多いわけですけども、労働法制の見直しについてどのような姿勢で取り組まれるお考えでしょうか。

(大臣) 今おっしゃったようにですね、3年がかりで最初年金、次介護、それから直前の川崎大臣が医療制度で、今高齢者医療制度の話もあったわけですが、そういったことの改革に取り組んで積み重ねて参りました。今度は労働行政の出番というか、そのようなことにサイクル的になっているということを私も承知をしております。頭にあるのはニート・フリーターとかというような人たちは一体なぜ生み出されたかということについて、私も改革・行革の事務局長あるいはいろいろな形で、規制緩和の中での労働法制の規制緩和というものに参画をするというの中で-まあ労働法制というものは保守的だったんですよ、率直に言って-これを改革しようということで改革をしたのであります。だからこのニート・フリーターあるいはそういうようなことによる格差が、労働法規の緩和から生まれてきたのではないかと言われるとですね、私なんかそれを推進してきた側からするとですね、そういうことが起こったことがそこのところに要因がありとされるのかというようなことで、正直言ってたじろぐような気分がなかった訳じゃありません。ただもうちょっと考えるとですね、やっぱり労働環境つまり今の雇用を欲しがっている雇用機会の質的な転換、こういったことの方が、より今言ったようなニート・フリーターといったもの、あるいは若者の雇用機会を得るのがなかなか難しくなっているということの背景には、実はそういうことの方がより大きくあるのではないかと-私はこういう批判を浴びたことから言ってですね、いろいろ考えてみましたけれども、役所に今確かめている訳ではないんですが-私はむしろそのように思っている。したがって、就任後ここに来た時もですね、労働については、私はそういう認識を基本にした表現をさせていただいたということでございます。さらにですね、これから労働契約、これについては、より就業規則との関係などについて安定的なものにしたいというようなことで、就業規則・労働契約で個別にいろいろ修正をしていくことのルール、このようなものが司法のいろいろなご批判を浴びる場合でも、より安定的にちゃんと受け止められるようにしたいというようなことで、これからいろいろ論議をしてもらうわけですけれども、ホワイトカラー・イグゼンプションなどについてもですね、基本は私は緩和がいいと思っていますけれども、みだりな緩和が労働法規というものが保護しようとする労働者の健康とか生活の保護といったようなことに支障にならないということを確かめながらこれに取り組んでいきたい、ご意見も拝聴していきたいと思っています。

(記者)  今のホワイトカラー・イグゼンプションの話ですけれども、基本は緩和がいいというふうにお考えでいらっしゃるとを承ったのですけれども、一方で例えば少子化対策として、家庭と仕事、ワークライフバランスという観点からするとホワイトカラー・イグゼンプションというのは結局残業も多くなってさらに少子化を進めるのではないかという議論もございます。その点についてはどうお考えでしょうか。

(大臣)  だから、そういうようなこともですね、私の頭の中には入っているんですよ。さっき生活という言葉を使いました。健康のみならず生活という言葉を使わせていただいたんですけれども、そういうようなことへの影響というのもよくよく考えて、結論を出したいと思っています。

というわけで、大臣も申しておりますように、来年の通常国会は4年に1度の労働の当たり年なんですよ。これをのがすと、また年金改革、介護保険改革、医療制度改革が目白押しで、労働契約法制は水子になってしまうのです。

大臣もなかなか言葉を選びながら発言されておられますが、労働法制の規制緩和のせいでニートやフリーターが出てきたのではなくって、もっと広い労働環境の変化が原因だというのは、それ自体はその通りでしょう。ただ、もっと広く考えれば、そういう社会環境の変化自体と規制緩和という形で現れてきた改革志向の政治とは同根であって、それが行き過ぎたのではないかという反省が今生じつつあるというのがむしろ現在の姿ではないのかと思われるわけです。

ホワイトカラーエグゼンプションについても、慎重な言葉遣いながら、「基本は緩和がいい」という言いつつ、「労働者の健康とか生活の保護」が大事だと、これからどういう論点が中心になっていくかをきちんと理解されておられるようで、失礼な言い方ですが、安心しました。

なお、この次のやり取りでは、

(記者)  日本を代表する企業の中でですね偽装請負問題が報道されているのですが、それについてどうお考えでしょうか。

(大臣)  これはですね、社保庁改革つまり年金などの問題も背景にあるのではないか、私はちょっとその話を聞いた時に、ちらっとそういうことも思い浮かべました。これは社保庁改革というものの、野党・与党のご論議の中に当然私も含まれていくだろうと思うんですね。いろいろなことをこれから考えさせてもらいたいと思っていますので、あんまり立ち入って言うことはしませんが、私にもいろいろ考えていることがありますというのは既に申し上げましたので、どういうことをその時考えていたかということを言うと、私は皆さんご承知の通り財務畑の出身で若い頃税務署の署長もしたことがある。その後いろいろと税の執行面について取り組んだこともあるという中で、そういう税務の執行の経験からいろいろと感じていたこともあるんですね。もちろん年金の問題、厚生年金でいくべきか国民年金にいくべきかというようなことが、正しく適正に行われるということがもう一番大事なことなんですね。国民年金の未納率が高いということの他にも、その問題を私は非常に重要視しております。そういうことを考えるにつけ、税務の執行の経験というものに重ね合わせたときにどういう事をこれから考えるべきかというようなことについていろいろ考えを巡らせているということが、さっき言った私も感じているところがあるんですよということの意味合いです。今の問題提起に直接お答えしている訳じゃないんですが、そういう角度から今言ったようなことについて見ていると言うことでお答えにしたいと思います。

これは、なんだか煙に巻いたように見えて、実はなかなか深刻な話をさらりと喋っておられますね。

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