仕事志向の福祉国家へ
講演メモです。
http://homepage3.nifty.com/hamachan/zenrosai.html
9月6日のものとほとんど同じですが、「政治学者の卵」さんから「労働サービスの商品化」と「労働者の商品化」がわかりにくいとのご批判を頂いたので、その辺を少し手直ししてみました。
(追記)
同じ研究会で講演されたお話しから、枝葉末節のことだけメモ。
スウェーデンで社民党が負けて穏健党が勝ったのを、莫迦なマスゴミがまたぞろグローバル化で市場原理が勝ったのなんのとアホなことを。穏健党はこれまでのネオリベ路線をすっぱりやめ、「俺たちはニューレーバーだ」と宗旨替えしたから、国民は安心して投票した。社民党の政策方向は正しいが、やり方がうまくいかないと判断されたから負けた。今まで社民党と一緒に政権与党だった環境党と左翼党はベーシックインカムを主張するので、社民党の中には穏健党と大連立を組みたいという声もあった。
スウェーデン(に限らず北欧社会)は小さなコミュニティ社会なので、仕事もせずにぶらぶらしていることが社会的に困難。その意味で日本と同じく仕事志向の社会であった。失業給付や福祉は大変ジェネラスだが、「働かざる者食うべからず」という強い勤労倫理があって、就業率は高かった。
とにかく働く方が得になるようにというふうにできていて、働いている女性の方が子供を産むときに高い給付を受けられるので、専業主婦なんかより働く女性の方が子供を産む。それも賃金が上がって育児給付が高くなってからまとめて産む。
とっさの質問に対する答え方で頭の良さの差が出た。
中味とあんまり関係なくいきなり「日本は階級社会じゃないけどヨーロッパは階級社会じゃないのか」
私「いや日本も戦前は階級社会で、戦時中に一体化が進んで、戦後労働運動が強まって、一方でパージで経営者が追い出されて組合運動やってたような課長部長クラスがいきなり経営者になって、そういう経緯がありまして・・・フランスもカードルとかありますけど、労働時間が問題になったりしているようで・・・」お前は労務管理史と労働法しか知らんのか。
M先生「階級といっても「文化としての階級」と「経済としての階級」に分けて考える必要があります。ヨーロッパでは「文化としての階級」は依然として大変強い。それが労働組合の組織率の高さにつながっています。しかし、その運動などによって社会的モビリティは高くなってきています。そのため「経済としての階級」はある意味で日本化してきています。これがまた逆に組合の組織率の低下の原因となっているのです」やっぱり政治学者の人って頭いいわ。
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