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不確実性を弁えない連中

権丈先生の「勿凝学問」シリーズ、ますます素晴らしくて、全文引用したいくらいですが、それはできないので是非リンク先を読んで下さい。

http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare48.pdf

今回のテーマは「なぜ医師不足問題が生じたのか?」。一言でいうと、「医療事故報道に端を発し、患者は、医師への不信感を高めて攻撃的となる。医師は、医療の正当性を保証するための仕事が増えるのみならず、患者からの攻撃が受けやすい診療科を忌諱するようになる。そこに2004 年からの臨床研修制度の導入が重なって医師不足を加速する。」という筋道ですが、これが「医療経済学のなかでも混合診療全面解禁を主張する新古典派医療経済学的な考え方をする人たちの姿勢、さらには年金論議における人口推計や経済予測・医療論議における医療費予測が外れたときに激しく予測者たちを非難するメディア・研究者たちの姿勢」と同じで、「医療行為には「不確実性」が伴うことを理解しないままに「医療事故」を報道し今日の「医療崩壊」を引き起こす原因を作ったメディアの姿勢と同じなのである。彼らは、本質的に「不確実」であり「リスク」のともなう出来事に対して、不思議と、あたかもそこには「不確実」や「リスク」など存在しないかのような論を展開する傾向がある。そして芳しくない結果が生じた場合には、医師、病院や厚労省年金局、厚労省保険局の無能や無責任ゆえにそうした結果が生じたと決め込み、彼らを一方的に責め立てる」というわけです。

その根っこは、「不確実なものを不確実なものとして受け入れない人びとの思考方法」にあるというのが権丈先生の見立て。確かに。

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コメント

>さらには年金論議における人口推計や経済予測・医療論議における医療費予測が外れたときに激しく予測者たちを非難するメディア・研究者たちの姿勢

「年金論議における人口推計が外れたときに非難する」に対してですが、メディアや研究者だけでなく、年金相談の現場にいる社労士の間でも、国立社会保障・人口問題研究所が出す出生率の数字が楽観的すぎるというのは一致した意見でした。年金官僚が数字にビビッて、出来るだけ隠そうとしていたのは周知の事実だと思います。

投稿: nami | 2006年9月14日 (木) 12時49分

権丈さんの趣旨は、年金という仕組みそのものについての意識的な誤解の話です。

出生率については、私は本当のところはよくわかりませんが、社人研がわざと数字を操作しているというのは違うと思います。
年金局官僚が、政治的に出し方をいろいろ考えてるのは確かですが。

投稿: hamachan | 2006年9月16日 (土) 16時30分

社会保障審議会の人口部会が4年ぶりに活動を始めたみたいですね。こっちも随時チェックしていこうと思います。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/06/s0630-4.html

投稿: nami | 2006年9月16日 (土) 22時22分

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