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2006年9月21日 (木)

安倍政権はソーシャルか?

というわけで、昨日安倍晋三氏が自由民主党総裁に選出されました。ちょっと前にここで話題になりかけた標題の件について、少し考えたいと思います。

といっても、これは必ずしも「安倍晋三氏はソーシャルか?」という問いと同じではありません。まあ、父方の七光りと母方の七光りを掛け合わせてしちしち四十九光りの安倍さんが本質的な意味でソーシャルだということはあんまり考えられないし、「美しい国」を読んでもそもそもそういう方面にあまり関心はなさそうです。

しかし、小泉・竹中路線にブレーキをかける、ないし方向転換をすること自体が、いわばエンジンブレーキ的な意味で「ソーシャル」な意味を持つことはあり得ますし、その可能性は高いのではないかと個人的には思っています。

マスコミはもっぱら安倍さんのナショナリズム志向なところに注目していますが、半世紀前の経験からしても、ナショナルとソーシャルが一定の連携関係を持つこともあり得ますので、その可能性も考えておく必要があるでしょう。純情きらり史観じゃないんだから、平和でありさえすればいいというものではないのでね。五十嵐仁さんという政治学者がご自分のHPで「「破壊の政治」から「繕いの政治」へ」と表現されていますが(彼の意見自体は典型的左翼言説ですが)、この「繕いの政治」という言い方は当たっている面があるように思います。

まず、注目したいのは、規制改革サイドの人事がどうなるかです。もともと規制緩和というのは、中曽根行政改革路線の一環として、官公労叩きを主たる目的として政治的アジェンダに載ってきたもので、民間労使連合の支持の下に行われてきました。ある時期までは、連合の代表が規制緩和委員会の正規委員として参加していたのですね。ところが、90年代末、特に小泉政権になってから、規制緩和の論理が自己展開的に突っ走りはじめ、労働界の代表は追い出され、代わってノンバンク代表の会長の下、口入れ屋の女主人たちが委員に、と、それまでの財界の主流とは必ずしも同じ考え方ではない意見が力を振るうようになりました。それでもまともな考え方をする労働経済学者が一人参加していたんですが、労災保険を民営化するとかいう馬鹿げた考えを批判したために追い出されてしまったわけです。

こういう路線が力を振るい得たのは、やはり小泉・竹中のネオリベ路線の庇護があったからでしょうが、恐らく安倍さんは(自分自身が社会経済政策への特定の意見を必ずしももっておられないことから)財界主流派の見解に近いところにシフトするのではないかと思われます。つまり、長期雇用なんかなくなっていい、労使協調なんて要らない、口入れ屋が全部手配するから問題ないよ、という発想から、いやいややっぱりコアの人材はしっかり会社で賄わなくちゃ、という方向にシフトする可能性が高いと見るわけです。もともと経団連はそういう発想が強いですし、御手洗会長の考え方もそちらに近いですから、規制改革サイドに陣取る過激派の勢いは弱まらざるを得ないのではなかろうか、そして、今年度末には現在の規制改革・民間開放推進会議の期限が切れ、新たな機関を設置することになりますが、その際の人事には一定の影響が出るのではなかろうか、特に、ここ数年来の過激な言動で大向こう受けを狙っていた一部のキセカン学者はどういう運命をたどるであろうか、という風に考えるわけです。

これを「ソーシャル」と呼ぶかどうかは好みの問題で、リベサヨ諸子にとってはむしろ悪夢の再来かもしれませんが、多くの普通の労働者にとっては、一息つける方向であるように思います。

もう一つ、これは正直言って私ごときが判断できる話しではないのですが、経済財政諮問会議の人事です。特に学者人事。ここがどういう風になるかが、政府全体の風向きをある程度方向付けますので、注目したいと思います。個人的には、小野善康先生あたりが入って、「失業給付払ってる暇があれば、公共事業で人を雇え」と一喝してくれるといいなとは思いますが、まあその辺はなかなか難しいんでしょうね。

もっと手の届かない話になると、官房長官は誰かとか、政調会長は誰かとかいろいろありますが、そういうハイレベルなお話しは各紙の論説委員の皆さんがたっぷりと書いていただけるでしょうから、私もそっちを読みます。

ハイレベルではあるけれど、直接関わるのは厚生労働大臣人事ですが、これも見守らせていただくということで。

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コメント

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>それでもまともな考え方をする労働経済学者が一人参加していたんですが、労災保険を民営化するとかいう馬鹿げた考えを批判したために追い出されてしまったわけです。

あれはねー、やり過ぎだと思いました。清家教授はやや左寄りですが、基本的にはオーソドックスな考え方の労働経済学者だと思います。

あのお、「左寄り」というのはちょっと語彙選択にずれがあるような。なんていうか、ちょいワルおやじじゃないけど、ちょいりべなんですよ。
本質的には大変バランス感覚のある方なんですが、定年と年齢差別問題については若干これまでの雇用慣行を破壊してでもやらなきゃいかんという使命感をもっておられるんですね。気持ちは大変分かるんですが、というところです。
このちょいリベのところを見込まれて、規制改革会議に呼ばれたんだと思うんですが、労働問題全般についてはあまりにもまともで、奇論怪論にちゃんと反論しすぎてしまったために、なんだこいつは仲間かと思ったら全然仲間じゃないじゃないか、と放逐されたというわけです。

政治に期待する事は何ですか、というアンケート調査のどの結果を見ても、社会保障制度(特に年金・医療)は一番人気なんですよね。
つまり、国民皆年金・国民皆保険というのは大半の国民のコンセンサスは得ているのです。保険者が、民になると「皆」にならないから、国が責任を持って運営して欲しいというのは共通認識なのです。
ところが、運営事業(社会保険庁等)に携わる人間が不祥事ばかり起こしてて信頼できない。ゆえに、制度そのものへの信頼感が揺らいでいるというのが実態だろうと思います。

>労災保険を民営化する
そこまでいくと「ちょいリベ」という
理念でなくて、利権なんでしょうなあ

>国民皆年金・国民皆保険というのは
>大半の国民のコンセンサスは得てい
>るのです。
そもそも公的医療保険からして、どの
組織に属するか?、で負担額が大きく
変わってしまうのだから「皆」の理念
から程遠い訳ですよ。国保一つ取って
みても

>>ネットイナバちゃん
>学校教育も労働組合も社会保険も、
>それどころか民間の保険でさえ、
>営利企業によってでもまた国家に
>よってでもなく、民間レベルでの
>慈善や社会的連帯運動によっては
>じめられ、それがやがて、あるい
>は営利企業によって運営可能とな
>り、あるいはまた国家によって制
>度化されるようになった

国家によって制度化するときに、そも
そもの出自にあった『熱さ』を継承し
てしまうために歪みを齎すんでないか

国家が始めるときは、それに相応しく
『広く薄く』でやればいいんですけど

そういえば、国民皆保険、国民皆年金をやったのはお祖父様(岸信介)でしたね。
どこまでその血が流れているかはよく分かりませんが。

これを受けて、年金も医療保険も企画と実行を分けるという名目で社会保険庁が作られたんでした。
よく公務員改革論議で、企画と実行を分けるべしという議論が出てくるんですが、そういう人は社会保険庁の歴史をよく学んで、どこにどういう問題があったかをよく考えた上で主張した方がいいと思います。
かつては、社会保険省として厚生省から独立させるという選択肢もあったんですね。その場合は、企画と実行が組織的に一体化する。

>いやいややっぱりコアの人材はしっかり>会社で賄わなくちゃ、という方向に
>シフトする可能性が高いと見るわけ
>です。もともと経団連はそういう発想が>強いですし、御手洗会長の考え方も
>そちらに近いですから
正規と非正規をきっちり分けて、会社は
正規職員の利益向上を最重要課題として
経営するという路線ですね。

正規職員とその正規家族にとってはいい
流れなんでしょうけれど…

経営するだけじゃなくて、政府にも
「正規職員とその正規家族を優遇」
するように要求する…

問題は『そうじゃない人がどうなる
か?』ですが、その際に非正規から
正規へというスローガンを利用して
非正規の人を食い散らかす、という
ことが行われるんだろうな、と悪い
予想をしています

例えば、御手洗会長の会社ではどう
なるか、見守りたいと思います

しつこいですが。

正規職員と非正規職員をキッチリ区別して
扱う、という路線は例えばワーク・シェア
リングと真正面から衝突するように思う。
本当にソーシャルなのだろうかと。いや、
「正規職員同士の間」ではソーシャルです

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