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2006年9月 7日 (木)

パターナリズムは悪か?

ある方から、「パターナリズムもほどほどに」とのご忠告。ごもっともではあるんだが、そういうリベリベな感覚に抵抗してみたい気持ちもありましてね。

というのも、今世間をにぎわす貸金業法の話。ケーザイ学的には皆様の仰るとおりなのではあろうし、実際普通の金融機関が貸さないようなマイクロ企業が高利であっても借り入れできることで社会の厚生が高められうることもよくわかる。でもさあ、人間ってそんなに立派かね、朝三暮四のサルどもがうようよしているのがこの人間世界のサル山なんじゃないのかね、とリベラルじゃない奴は思うのですよ。

「余計はお世話」はどこまで「余計」なのか、ってのは、じっくり考えていくと大変難しい。ぎりぎりいえば、シカゴ派がいうように労働社会政策なぞみんな余計なお世話でしょう。でも、朝三暮四のサルはアホやから見捨ててもいい、と言えますか?

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コメント

多少は専門家なのであれば「パターナル」かどうかじゃなくて、上限金利を引き下げた場合の利用者の動向分析、市場の変化、波及効果、社会的厚生の改善度(改悪度)の議論ぐらい提示したらどうですか?保険・銀行業界全体が消費者金融を確実にリターンが取れる投資先として利用している現状では、上限金利の設定で他の融資の金利まで平均的に上がるのが確実でしょうね。単に誰かをパターナルに救うなんて話じゃないですよ。

私は金融の専門家でも何でもない。
社会政策の観点から、後先考えずに借りまくって挙げ句の果てに多重債務者になる連中について考えているだけです。その意味では利率規制というのはあまりいい方法ではないのかも知れません。むしろ借りるのに膨大な手続をやらせて頭を冷やさせるとか、第三者を介入させて「やめとけよ」と言わせるとか、借りたらすぐに第三者がやってきて「おい大丈夫か」、で反省してクーリングオフできるようにするとか、全部非専門家の思いつきですが。
それと、金融政策上の観点からの制度設計をどうリンクさせるかは、私が発言すべきことではありません。
ここは「EU労働法政策雑記帳」というブログであって、金融政策を論じたければお好きなところでどうぞ。

ついでに言うと、金を貸すというビジネスがサステナブルに成り立ちうるのは、金を借りた奴が事業をやってそれを増やせる場合だけ。もちろん、マイクロビジネスもいくらでもあるから、そういうのに過度にパターナルになる必要はないが、純粋な消費者に過ぎない奴にカネが増やせるわけがない以上、そういう奴に金を貸すというビジネス自体がいかがわしい。
もしいかがわしくないとすれば、何か質草が入っていて、それを流せばもとが取れるようになっているはず。生命保険が質草ならばビジネスとしては成り立つだろうが、そういう「食い散らかし」型ビジネスをほっといていいのか、というのが公共政策としてのパターナリズムであってね。
これは産業革命時の児童労働問題と似ている。食い散らかしている企業にとっては規制は都合が悪いだろうが、それで経済社会がもたないとなれば総資本の論理が働くようになる。目先のことしか見えないアホなケーザイ学者はともかく、マクロ社会の安定を考える立場からは、問題は問題として対応する必要はあるわけで。

自殺よりも自己破産の薦めをすれば
いいような…。広義の教育ではあり
ます

児童に生活保護を与えてもいい。その
ための財源は必要ですが…

社会参加は、最低限には「経済的必要によって」要請されるのであって、規範レベルでは要請されないはず。

気になったのは、渋谷にいた男性の「働かなければ逮捕されるとかだったら、働こうとは思いますけど」という声。

http://d.hatena.ne.jp/ueyamakzk/20060616

あほな朝三暮四サルにぱかすか自己破産させるのがマクロ社会的にいいこととも思えませんが。

その「経済的必要」を緩和するための福祉給付が憲法上要求されてしまっているからそう簡単ではないのですよ。
だから、規範レベルで働くことを要請することが必要になるわけです。
働けという規範的要請ををやめるのであれば、働かない奴は勝手に飢えて死ねという風にしないといけないが、そうはいかないでしょう。

マクロ社会的に良いというのと
本人にとって良いというのは、
別の話かと…。マクロ社会的に
良いというのは「本人にとって
良い」の集合ではありますが。
公的には前者が問題になります。
ただ、マクロは集合ですから、
あちらを立てればこちらが立た
ずで、政治闘争が避けられない
訳ですが。

少なくとも、追い込まれた猿が
バカスカ自己破産できれば貸し
金業者は猿に金を貸さなくなる
のではないでしょうかと思う訳
です。規制の効果のベクトルが
仮に同じだとしてどのやり方が
エレガントなのか。規範論的な
恣意性は小さい方が好ましいと
いうだけのことで。

恣意性を目立たないようにする
ための立論よりも、現実に恣意
性が小さいことのほうが重要。
前者も方便としては必要です。

「ご利用は計画的に」の後に「自殺は自己破産をしてからでも遅くない」と付け加えた方がいいかもしれませんね。
朝鮮系の消費者金融に対しては計画的な自己破産のやり方でも国民に薦めた方が、よっぽど無駄死にが減っていいのではなかろうか。
それが一番のセーフティネットだべ。生存権で規定される生活保護も大事かも知らんが、生存権の拡張としてニート権を主張する政党でも作れば、人気が出るかも。

いやだから、事前規制か事後処理か、という話になるわけで。
事前規制の方がトータルのコストがかからなくて経済的にお得ですよ、というと、そんなパターナリズムはけしからんと来るのが規制緩和一派なんですね、これが。

>事前規制の方がトータルのコストが
>かからなくて経済的にお得
だから事前規制の根拠はパターナリズムで
なくて、コストにある訳で。自分からパターナリズムと言ってしまっては…

というだけのことであった訳です

いや、やる前に心配して規制するというのがパターナリズムですから、同義語なんですよ。まあ、わざと、パターナリズムのどこが悪いと言いたくてやってます。この言葉があたかも悪い言葉であるかのように使われている現状がおかしいと思っているもので。
パターナルにやらないということは、アスベストも企業に勝手に使わせて、被害者にじゃかすか訴訟を起こさせて、会社がみんなつぶれて抜け目のない奴を除くと金も取れないということなんだけど、それでいいんですね、とかね。
そういうのがいいとイデオロギー的に思いこまされてるのが一杯いるから、わざと挑発したくなるわけですが。

その感じは分かりますが、ちょっと微妙なのは
アスベストは自分も被害者になってしまう
かも
しれんから規制してよ、という感じに対して、
上限金利はどっかのあほ猿が食い殺されるから
規制しましょ、という差がそもそも最初に
ある

年取って子供も家族もいないけど、日本は
好き
だ、みたいな人だとこの区別はあまりなく
なる

まあそうですね。あほザルも仲間のうちと感じるか感じないかということです。
この辺、例えば、親戚のあんまり頭のよくないおじさんとかお姉ちゃんがひっかっかったら、という風に考えるか、どうかが結構大きいように思います。
博愛衆に及ぼすというのは、基本的にあまり信じていないけれども、この日本のどこかで自分の縁者が引っかかってるかも知れないというのは効くような気がします(それが語源的な意味でのパターナリズム=家父長主義かもしれませんが)。

ところで、グラミン銀行がノーベル平和賞を貰ったから、日本のサラ金にもノーベル平和賞を、とか言ってる人がいるみたいだけど、そもそも事業活動によって価値が増えることを前提とした事業者向け金融と、何も生産せずに食いつぶすことが前提の消費者金融を同列に論じて何か意味があるのか知らん。貸してる間にお金が増えるはずがないことがわかっているから、ちゃんと命という担保をとって、まともなビジネスモデルにしているんでしょう。いや、もちろん、商工ファンドにノーベル平和賞を、というのなら、それはそれなりに話にはなりますけど。

(追加)

http://www.asahi.com/national/update/1014/OSK200610140090.html

なるほど、財務官僚がグラミン銀行にノーベル平和賞をやるならサラ金にもやれと言うはずだわ。

念のため言っておくと、消費者は何の付加価値も生産しないけれども、消費者は多くの場合同時に労働者であって、この「人的資本」を使って付加価値を生み出しうるし、そこから金利を支払うことも理論的には可能です。
サラ金から借りた金で教育訓練を受けて稼得賃金水準が向上すれば、その賃金上昇分の一部でもって金利を支払うという美しいモデルも作れるかも知れません、経済学の教科書的にはね。
しかし、これはサラ金というより育英会ですな。

労務管理史的には、金銭消費貸借の相手方と労務提供先とが一致するタコ部屋モデルというのがありまして、労働者を借金漬けにして逃げ出せないようにするというのは、労働異動の防止という観点からは合理的です。利子が増えていつまでたっても返せないから、いつまでも働かせることができる。

金銭消費貸借の相手方と労務提供先とが法人格としては一致しないけれども実質的に一致するモデルとして、「ねえちゃん、金返せないならカラダで返してもらおうか」という古典的な風俗労務供給事業がありますね。
かつて(2003年改正前)の職業安定法には、兼業禁止規定というのがあって、貸金業と紹介業を兼業してはいけなかったんですが、これは今は廃止されていますので、借りた金を返せない方に善意で高給アルバイトを紹介することは別に問題ありません。命を担保にするより労働力を担保にする方が遙かに人権を尊重したものであることは間違いないでしょう。

>日本のサラ金にもノーベル平和賞を、とか
>言ってる人がいる
浩生先生の被害者?

繰り返しますが、私は山形浩生氏は大変優秀な翻訳家だし、自分のよく分かっていないところではおっちょこちょいはするけれども、おおむね気の利いたエッセイを書ける方だと評価しています。
フマさんを出入り禁止にする気は全くありませんが、ある方に対する中味抜きの悪口だけのコメントは控えていただければさいわいです。

ちなみに、私はこの件では、現役財務官僚(らしい)立場でこういうことを発言された方を主として念頭に置いています。

文雄タン(萌え~)が

>池尾和人教授が「消費者金利規制で大竹教授に異論
>あり」という論説を書かれています。近く、きちんと
>反論させていただく

結局、お互い定番の変わり栄えしない話が繰り返されるだけかな?

こんな僻地のブログに、今をときめく財務官僚(と稲葉先生が言われた)の方がトラックバックを送って下さったようで、有り難いことでござります。
もっとも、ひっそりとコメントを書いてから半月後、夫馬さんのブログ経由だそうなので、いかに接点が少ないかということなんでしょう。

どこまでまじめに反論すべきなのかよく分からないところもあるのですが(そもそもはじめのエントリーが、グラミン銀行をもてはやす風潮に対する皮肉まじりの冷やかしのようにも思われるので)、「事業者向けであっても運転資金融資であれば「何も生産せずに食いつぶすことが前提」」というのがどういう趣旨なのかよく分からないところがあります。まさか、その運転資金を借り入れたあとは生産活動を一切ストップして、ひたすら借りた金を食いつぶすだけということではないと思うのですが。それとも、生産活動を拡大せずに、一定規模の生産活動を維持している状態を「何も生産せずに食いつぶす」と表現されているのでしょうか。後ろの方で、「グラミン銀行の貸付の資金使途は事業用運転資金と生活資金がほとんどで、設備資金に向けられる部分はほとんどない」と書かれているところを見ると、どうもそのようであります。いずれにしても、借りた金で事業を回しながら日々付加価値が生み出されている状態と、一切生産活動を行わずに借りた金を文字通り食い潰している状態を「同列に論ず」るという国語レベルで悩んでしまいます。

それとも、その後の「就労を含む生活の維持を可能とする意味において、同様のことは消費者金融にも当てはまります」という書き方からすると、純粋に消費するだけの消費者を前提にすればhamachanのいうとおりだが、消費者は多くの場合同時に労働者であり、この「人的資本」を使って付加価値を生み出しうるし、そこから金利を払うことも理論的には可能・・・ということを言いたいのでしょうか。それはまさに上で私が書いたことですが、労務管理史上に現れたさまざまな労働力担保貸付のパターンを見ると、大変素晴らしいと感涙にむせぶようなものはそれほどないのが実情です(もっとも、命を担保にするより、労働力を担保にする方が人権を尊重したものだとは思っていますが)。

>命を担保にするより、労働力を担保にする方が
>人権を尊重したものだとは思っていますが
この件に関しては、金利の問題でなくて、担保の
あり方とか有限責任性とか、そういう話じゃない
かと思ってるんです。株式会社が金を借りて破綻
しても株の価値がなくなるだけ(のはずw)です
から。

企業が長期雇用前提で新卒者に教育投資するのも
『労働力担保投資』です。ここでの違いは、使い
道を限定せずにただ金銭を投資するだけで生活費
どころか遊興費になってしまうかもしれない投資
と社員教育に限定した投資の違いです。ただ生活
費給(思想?)においては使い道が生活費までに
広がっています。

私自身は『担保の問題』が重要だと考えているの
ですが(人権派?)、どうも hamachan 先生は
『使い道の問題』を重視されるとのことですね。

私も個人的には親の立場であれば教育投資に力を
入れると思いますが、同時に子供の立場であれば
「余計なお世話」と反発することもあるでしょう。
私は別段、どちらが正しいとか間違ってるとかは
思いません。

もっとも気になることは、国家が親で国民が子供
か?、ということですね。国家は、国民の税金で
なっているのだから、そういうことは有り得ない
でしょう。沢山の税金を納めている人が親であり、
『少なく納めて、多くを受け取る人達』が子供で
あるということは有り得ることかも知れませんが。

財務官僚がどうって、別に私は稲葉先生のご紹介をそのまま引用しただけなんですけどね。
こっちは顔写真から経歴から全部さらけ出しているんですけど(もっとも、匿名でやってもズブズブの労働官僚だとバレバレだと麗しの未亡人に言われていますが)。

>麗しの未亡人
私の事でしょうか(笑
新聞記事を利用して、さりげなく財政制度等審議会を叩くテクニックを見て、ほんまもんの労働官僚は違うわぁと感心しております。
いかにも、霞ヶ関の季節感にあふれたエントリーですね。
マジレスすると、hamachanは、よく言えば、用語の使い方がきわめて正確、悪く言うと、お役所言葉丸出しなんです。

補足説明
お役所言葉(官僚用語)が、正確に使えているかどうかの判断は一般人には出来ないと思います。そういう意味では、山形先生も稲葉先生も田中先生も御用学者じゃないですから、一般人なんです。
ちなみに、はてなキーワードbewaad( http://d.hatena.ne.jp/keyword/bewaad)に下記を付け加えたのは私です。
「財務官僚と巷で噂される」ブロガーである
http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20060518#p1

ついでに、なんで白書の名前を変えたんですかね。
一般人は、経済財政白書(旧経済白書)、労働経済白書(旧労働白書)、厚生労働白書(旧厚生白書)がいまだに区別できてないみたいです。
官僚のこういうところが、とってもイヤ(笑

三流官庁の下流役人風情に何をまたお戯れを・・・。

ところで、この方々が御用学者でないのは疾うに知れたことですから、要は切れ味抜群の包丁捌きをお見せいただければいいのであって、私は概ねその技に満足しておりますのですよ。
最近の諸々の出来事は、要するに私が真正直すぎてネット政治ができないというだけのことでしてね。ついつい言わんでもいいことをいってしまうのですな(役所の中ではも少し言葉は慎んでおりましたが)。

ちなみに、ご紹介のはてなキーワードを見ていくと、びわーど氏が佐藤誠三郎先生の教え子だという記述をを発見。こういうところでつながってくるから世の中は狭い。

最後に、白書の名前は別に役人が変えたくて変えたのではありません。厚生省も労働省もなくなった以上、厚生白書も労働白書もそのままでは生き残れません。そこで、旧厚生白書は政策紹介白書であるから労働を合わせて厚生労働白書とし、旧労働白書は分析白書であるから(正式名称は「労働経済の分析」)その点をはっきりさせるために労働経済白書としたわけです。
今年の労働経済白書(石水白書)は、その存在意義を見事に示したと思いますよ。

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