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2006年9月 8日 (金)

パターナリストなECJ

同じく昨日出された欧州司法裁判所の判決はイギリス対欧州委員会事件、イギリスはEU労働時間指令をちゃんと実行してないじゃないか、という奴です。

http://curia.europa.eu/jurisp/cgi-bin/form.pl?lang=en&Submit=Submit&alldocs=alldocs&docj=docj&docop=docop&docor=docor&docjo=docjo&numaff=&datefs=&datefe=&nomusuel=&domaine=PSOC&mots=&resmax=100

えっ?それって、イギリス政府が秘かに規則を改正して解決したんじゃなかったっけ。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_886b.html

いや、そっちの、部分的に自己決定している場合の適用除外は、負けると思って改正しちゃったんですが、も一つ問題が残っていたんですね。それは、休息期間の扱い。いや、労働時間規則ではちゃんと、1日最低11時間、1週最低1日の休息期間の権利があると規定しているんですよ。ところが、使用者向けのガイドラインの中で、休息期間は欲しい労働者にやればいいんだよ、と書いてある。いやまあ、そりゃ権利ですから、欲しいと言えばやらなきゃいけないけど、欲しいと言わない労働者にも無理矢理に押しつけることはないだろうと、いかにもアングロサクソン的なリベラルな発想ですね。

それではあかんのや、と大変パターナリスティックなのが欧州司法裁判所です。

なぜなら、これは労働者の安全衛生を守るための規定なんだ。だから、使用者の休息期間を付与しなければならない義務を制限することは、たとえ労働者によるその取得を妨げないとしても、事実上その権利を意味のないものにしてしまう。大変厳しいのです。

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