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2006年8月17日 (木)

谷垣氏の高齢雇用数値目標

自民党総裁選に出馬を表明している谷垣財務相が、「少子高齢化への対応として、60―64歳の年齢層で働く人の割合を引き上げるため、数値目標を政権公約に盛り込む方針を決めた」そうです。

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20060817AT3S1601116082006.html

この記事の元になった谷垣さんのホームページの記述は以下の通りです。

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20060817AT3S1601116082006.html

>高齢者が、支えられる側から支える側にまわれば、持続可能な社会保障制度を築く上で大きな力となる。したがって、働く意欲と仕事をする能力がある高齢者の方々には、できる限り長く働いていただく、「生涯現役」が可能な社会を目指していくべきである。そのためには、労働政策の面で、「年齢に基づく処遇」の改革と、高齢者自身の能力開発の支援が必要である。具体的には、定年制の廃止を見据えて70歳までの雇用確保措置を徹底し、企業の雇用インセンティブを高めるため、年功型賃金を改めて貢献度に応じた賃金体系を広めるべきである。また、社会保障政策の面では、高齢者が実際に働き続けられるよう、生活習慣病対策等により健康寿命を延ばしていく。こうした施策を通じて、60歳から64歳までの高齢者の労働力率(働いている方の割合)を、今後20年間で、男性で現在の70%から85%に、女性で40%から60%に引き上げていきたい。・・・

社会保障制度の持続可能性という観点から高齢者の就業率を高めていくというのは、近年のEUやOECDの雇用戦略の最重点課題の一つであり、その意味でマクロ社会政策としてこういう目標を設定するというのは適切な政策だろうと思います。

参照:OECD「世界の高齢化と雇用政策」(濱口訳)

http://www.akashi.co.jp/Asp/details.asp?isbnFLD=4-7503-2325-X

ただ、ちょっと気になるのは、「年齢に基づく処遇の改革」云々とか、「定年制の廃止を見据えて」とか、「年功型賃金を改めて」云々というところです。一般論としてこれが進められるという話になると、ミクロの労務管理政策としていろいろと考慮しなければならないことがあるのですが、おそらく(これのドラフトを書いたであろう財務省のベスト・アンド・ブライテストな官僚の方には)天下国家のマクロが大事であって、片々たる企業の労務なぞというミクロは取るに足らんと思われているのでしょうか(注)。しかし、神は細部にも宿るのですよ。

労働者の定着と技能養成を促進し、結果的に国民の能力水準を向上することへの長期雇用や年功制のメリットとその高齢者雇用へのデメリットを注意深く考量して、どこをどの程度改革すれば、望ましい結果が得られるだろうかということを考えるのが、真の政策というものだと、私は思っております。

(注)

厚労省や文科省みたいなミクロ官庁のみを並べたのならともかく(むろんこの場合、そんな二次的な当事者能力しかない連中ばかり集めても意味がない・・・

http://bewaad.com/20050527.html

いや、おっしゃるとおり、三流官庁であることは否定いたしません。どこぞと違ってベストでもブライテストでもないですな頭の中味は。

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