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2006年8月30日 (水)

年齢差別に関する論文

おいおい、ここは「EU労働法政策雑記帳」という看板を掛けているんじゃないのか。どこにEUの話があるんだい?

いや、前の方にかなりあるんですけど、最近ネタが夏枯れで全然手に入らなかったもので・・・。

ということで、看板通りEU労働法の話をします。といっても、ヨーロッパの役人連中、夏休み中はみんないなくなっちゃうので、新しいネタはない。むかし、8月15日に訪欧するからしかるべくアポを取れと言う無茶な指令が来たこともあったなあ・・・。それはともかく、イギリスから新しいアカデミックなネタが入りました。オックスフォード大学のIndustrial Law Journalです。

http://ilj.oxfordjournals.org/content/vol35/issue3/index.dtl

EU指令を受けて今年イギリスで制定された年齢差別規則についての論文が2本、前にこのブログで紹介したマンゴルト事件ECJ判決の評釈が1本。年齢差別関係で3つも載ってて読み応えがあります。

中味はまあ関心ある人は読んでください、ということですが、ちょっと感想みたいなことを。年齢差別ってのは、性別や人種と違って、「みんな昔は若かった」、「みんないずれは年をとる」という一種の平等性があるわけで、一律に行かないことろがあるんですが、それにしても例えば90年代の失われた10年に就職できなくってフリーターになってしまった人が年齢制限で門前払いを食わされるという事態に対して、「お前も昔は若かった」で済ませられるかというとそうではなかろう、というのはみんな感じるところなんですね。

この辺をどういう風にうまく制度に組み込んでいけるのか、マンゴルト事件みたいなヘンチキリンな副作用がないように、守られるべき利益をきちんと守りながら考えていかなければいけないんですね。

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