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2006年8月 1日 (火)

医師の需給

医師の需給なんて医政局マターは労働法政策に関係ないんじゃないの?と思われるかも知れませんが、いやいやいろいろと興味深いところがあります。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/07/s0728-9.html

私が興味を持ったのは、医師の需要見通しの推計に当たって、「医師の勤務時間の現状と、勤務時間のあるべき姿とのギャップを現状の医師数に上乗せした人員を現在の医師必要数と置いた。必要医師数の算定に当たっては、医師の勤務時間を週48 時間とおいた」というところです。いや、これは当然なんですが、「上記の推計は、医師が医療機関において過ごす時間のうち、診療、教育、他のスタッフ等への教育、その他会議等の時間を勤務時間と考え、これを週48 時間までに短縮するのに必要な医師数から求めたもの」なんですね。「仮に、休憩時間や自己研修、研究といった時間も含む医療施設に滞在する時間を全て勤務時間と考え」ると必要医師数はもっと多くなるけれども、「休憩時間や自己研修は、通常は勤務時間とは見なされない時間であり、これらを含んだ時間を全て勤務時間と考えることは適切ではない」。これもその通り。

ところが、後ろの参考資料の実際の推計のところでは、「医師の労働時間には病院にいる時間である「滞在時間」は診療に加えて待機か休憩の時間を含み、その中でも待機時間は通常労働時間とは認められていない」とあって、これは待機時間を労働時間外として除外した数字なんですね。本文には休憩時間とか研究とかしか出てこないのはやや姑息な感じがします。待機時間ということになれば、これは色々と議論を呼び起こすわけですよ。そこを悟られないようにうまくネグってしまった感じですね。

ここでいう待機時間が宿日直の許可によるものだとすると、救急医療でそれが労働時間でないといえるかどうかはなかなか難しいところがあるんですね。その辺をどう処理しているのか、関心をそそられます。去年7月の中間報告書の段階では、

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/s0727-7b.html

「最終報告書に向けた検討課題 」として、「夜間の当直の後も通常どおり勤務しなければならないなど、医師の重労働の実態については多くの指摘があった。このような医師の献身的労働によって現場の医療が支えられていたことは事実であるが、医師も労働者である以上、このような労働形態は改められなければならない。一方で、労働法規を遵守することが医療提供の在り方にどのような影響を及ぼすのか、検証していく必要がある」という記述もあったんですね。この検討課題はどこに行っちゃったんでしょうか。

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