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2006年8月24日 (木)

労働条件分科会の議事録

6月末に労使の反発で中断してしまっている労働政策審議会労働条件分科会の4月頃の議事録が厚生労働省のHPに載っています。なかなか面白いです。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/04/txt/s0425-2.txt

就業規則の不利益変更について、労使が本当に対立しているのはどういう点なのかということが、次のやり取りによく出ています。

○新田委員 おっしゃるように日本の企業は冠たるものになっていったと。いろいろな条件の中で、ときにはいい話もあるけれども、悪い話も、悪い条件も示しながらやってきたと。それに働く側がかんでいたら、きちんと話をして納得していたら会社はうまくいっています。労働者もきちんと向き合っているではないですか。こんなに状況が悪い、だからこういう条件に辛抱してくれよと。一方的に賃金を下げると言ったら誰でも怒ります。だけど、こういう状況だからと言って、集団的に団体交渉やって、すったもんだの議論をして、その上で納得して、そして立ち向かおうということがあったから納得できるのではないですか。それが労使関係、労使の信頼でしょう。そんなことは何も否定していません。話し合いをして、話し合いの経過が大事ですということを言っているのです。その経過をどのように、労働契約を結ぶというところに盛り込めるのかと言っているのです。それを基本に、どのような具合でいこうかという話がないといけないのではないですか。
○紀陸委員 就業規則は認められるわけでしょう。
○新田委員 就業規則と呼ぶのかどうかはまた決めればいいですよ。ここに提示されているのはいまの就業規則を、そのまま就業規則法理だとか、いろいろなことを全部、いまある実態そのままを法律にしようとするから違うのではないですかと私は思っているのです。
○紀陸委員 中身のおかしいのを認めるという話ではないわけでしょう。内容的に合理性があれば、従業員は納得するはずですよ。
○新田委員 合理性とは何ですか。合理性をきちんと証明できるのは、お互いの話し合いでこういう結果ですというときです。だから過半数組合が決めたら合理性を認めようといっているわけでしょう。
○紀陸委員 会社の過半数の組合、あるいは会社の過半数の従業員、そういう人たちと内容について話し合って、こういうように変えましょうと、そういう就業規則でもノーだと言われるのですか。
○新田委員 そんなことは言っていない。
○紀陸委員 就業規則の機能をどう評価するかとつながってくるわけですよ。それが就業規則の機能でしょう。その結果、個別の契約がどうのというつながり、論理としてはなるのではないですか。
○新田委員 労働組合のない所の問題でしょう、重要な問題は。
○紀陸委員 同じですよ。従業員の過半数とかね。組合のある無しにかかわりなく、従業員の声がどういう形で就業規則変更に係っていくかを担保すればいいわけです。・・・

19世紀の市民法的な感覚で労働者個人の権利として労使対等決定原則を論じているわけではないのです。労使いずれも、集団的労使関係の問題として、就業規則の不利益変更問題を捉えているのです。その上で、過半数組合ならいいけど、わけのわからん過半数代表者は困ると言っているわけで。このあたり、労働法学者の感覚が労使実務家と一番乖離しているところではないのかな、と感じます。

では、19世紀の市民法的感覚の人はいないのかというと、いるんですね、ちゃんと、これが。経営側に。

○奥谷委員 話を聞いて思ったのですが、組合の方は終身雇用とか、そういったことを前提に話していませんか。
○長谷川委員 そう言っていません。別の人たちのほうがそう思っているのだそうです。私たち全然思っていません。
○奥谷委員 そういう前提に立っていまの議論がなされているような気がします。こういう考え方で一つの会社に何十年もいるというように考えるより、むしろ3年、5年でころころ変わっていくというか、そういう方向にどんどんいくわけで、むしろ労働契約といいますか、契約のほうが重要視というか、そちらに重点を置いて。就業規則ももちろんあるかもしれませんが、皆さんの意見が、何かそこの会社に一生勤めるために就業規則と労働契約法が合致しないと、何か無理があるみたいな考えが根底に流れているのではないか。これからどんどん変わっていくという考えはないのでしょうか。
○長谷川委員 労側は全然思っていません。
○渡辺章委員 どのような点からそういう推測論が出てくるのかわかりませんが、客観的に合理的でない、社会的に相当でない理由では、労働者は解雇されない。それだけのことでありまして、終身とか、そういうことは一言も私どものタームから出ていないわけです。しかし、裏を返せば、雇用の継続性は尊重すべきであるという、一般社会通念は守っていくべきではないかと。それが18条の2に出ているような形になっている。その限りで御理解いただきたいと思います。一生涯そこに勤めるということで議論が前提になっているわけではないのです。
○奥谷委員 雇用の継続性を尊重するというのはそちらの考え方であって、別に雇用の継続を尊重してほしくないという労働者もいるわけで、そこのところはどうお考えでしょうか。
○渡辺章委員 権利は侵害されたときは守るべきですが、自分で捨てるものは自由ですから、辞めていったらいいわけです。そこまで制限するようなルールはないわけですから。
○奥谷委員 そういったところまで議論しているような気がするのです。個人の自由は個人の自由で放っておけばいいことであって、それまでを先へ先へ、こうなれば、こうなればみたいなところを議論しているような、余計なお世話ということがあると思うのですけれども。・・・

あなたの会社が3年、5年でころころ変わっていってるだけなんじゃないの?という気もしますが、「雇用の継続を尊重してほしくない労働者」を前提に労働契約法を議論されたんじゃ堪りませんな。日本経団連も迷惑でしょう。ま、彼女はこの分科会では使用者側の中でも見事に浮いているので、その分、規制改革会議に萌えるんでしょうけど。

ちなみに、そこまで労働者個人のクビになる自由を守りたいと使命感を燃やすこの派遣会社社長様は、本当に「雇用の継続を尊重してほしくない労働者」に対しては、こういうことも言っておられるんですね。

○奥谷委員 労働契約法制の件に関して、この中の2頁に、「使用者は、労働者が安心して働くことができるように配慮するとともに、労働契約において」と書いてありますが、今、使用者が安心して労働者を雇えないという状況があるのです。例えば、雇っても1か月以内に一方的に破棄して辞めて、他の会社に移ってしまうというようなことが頻繁に行われている。特に中小企業の場合はそれが多いということを周りで聞いております。特に高額で雇われた人に関して、そういったことが多いという場合もありますが、そうなった場合に、労働者には罰則も何もないわけです。一方的に使用者側が不利益を被ることになってしまうわけで、労使対等という意味合いが全くない今の現状で、そういったところはどうお考えになっていらっしゃるのかお答えいただきたいのです。・・・

○奥谷委員 そうすると、今までの範囲を越えないというと、要するに使用者側がいつも泣き寝入りしないといけない、という状況のまま行くということですか。・・

○奥谷委員 労働者に対して使用者側が訴える、そういうこともできるということも含まれるということですか。
 前に言いましたように、労働基準法の基本的な概念が、労働者保護の立場に立って貫き通しているわけですが、今は時代が変わってきているわけです。要するに、労使対等と言うのであれば、いつも「労働者保護」ではなくて「使用者保護」もあっていいのではないか、そういう概念も入れ込んでほしい、ということを我々は言いたいわけです。

いやはや何とも。

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