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2006年8月17日 (木)

自己啓発はそんなにいいのか

読売新聞が、教育訓練給付の不正受給が6億円以上に上るという記事を一面トップにしていました。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060816i201.htm

厚生労働省の公式見解とは違いますが、私は「制度のあり方そのものが問われることになりそうだ」という考え方に近いものがあります。もともと、この制度自体、「これまでの企業におんぶにだっこの能力開発ではダメだ、自己啓発こそが大事だ」という90年代の流行思想に乗って、やや拙速に作られてしまったのではないかという印象を持っています。

あのころ、竹中さんとか規制緩和一派から、教育訓練は労働者に好きにやらせてカネだけ面倒みろという議論が盛んでしたよね。元をたどれば、フリードマン流の教育バウチャー論なんでしょうが。そういうことをすれば、実際にはモラルハザードがたくさん生じるだろうということは、職業訓練というものの現実を知っている人なら分かっていたはずですが、観念的に経済理論だけで突っ走るこういう議論に押されて(とともに、それを利用して新たな制度作りをしようという意図もあったのでしょうが)ある種の人々には大変おいしい制度を作ってしまい、2001年改正でかなり渋くなって甘みは薄くなったはずなんですが、まだまだこういう不正受給が横行するという事態になっているようです。

企業は教育訓練の責任を負わないで労働者に任せます、おカネは国で(つまり国民で)面倒見てねってやり方が、企業の教育訓練を受けられない人々にとって何の助けにもなっていないという事態は、現在の若年非正規労働者の状況が雄弁に物語っているわけで、これもまた改革狂騒曲の一つの副産物ということなのではなかろうか、と思われるのです。

個人の自由ってのは美しい言葉です。自己啓発ってなんて素晴らしい言葉。企業のお仕着せの訓練をあてがわれる「社畜」なんかより、はるかに上等。ついついなびくのはよくわかる。でも、そこには恐ろしい落とし穴が待っていたということではないでしょうか。

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