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2006年7月14日 (金)

サラリーマン法人化計画

朝日新聞社が出しているAERAという雑誌に、そういう記事が載っています。

http://www.asahi.com/business/aera/TKY200607080590.html

曰く、「サラリーマンは奴隷だ」「サラリーマンも一人ひとりが会社になればどうだろう」

「サラリーマン法人推進協議会」というのが本当に実在してるんですね。

http://www.m-m-i-g.com/

具体的に何をやるかというと、「企業に勤めるサラリーマンが法人化すると、企業との関係は「労働契約」から「業務委託」へと変わる。すると、企業側ではそれまで負担していた消費税や、厚生年金保険料や健康保険料などを支払う立場ではなくなり、まとめて業務委託費としてサラリーマン法人側に渡すことになる。年収600万円のサラリーマンの場合、業務委託費は717万円となる計算。」

ここで、「できるだけ多くの経費を計上し、サラリーマン法人としての利益を減らすことで、納税額などが少なくなり、可処分所得が増えるのです。つまり、自由に使えるお金が多くなる」

「もっとオイシイのが、社会保障費の軽減だ。労使折半である厚生年金保険料は、法人化前には会社負担と自己負担の合計で86万円あった。だが、サラリーマン法人では、「給与」が減った効果が大きく、56万円で済み、差し引き30万円も減る。同じように、健康保険料も20万円減り、この両者だけで50万円も可処分所得がアップする」云々。

朝日新聞さんは、こういう偽装自営業で企業の租税・社会保障負担が少なくなり、雇用責任がなくなることが良いことだとお考えになって、こういう記事を載せていらっしゃるんでしょうかねえ。自営業者に対して解雇権濫用法理も糞もないんですからね。年収600万円も払っていた会社が、税金や社会保険料を上乗せして717万円も定年まで払ってくれて、退職金も払ってくれるとでもお思いか。「自分」という下請会社が委託打ち切りで倒産したら、それでおしまいですよ。

朝三暮四という言葉はみんな中学の国語で勉強するけれども、その意味を理解している人はあんまりいないってことかな。

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コメント

最初,サラリーマンがどれだけ労働法制による保護を享受しているのかという,「皮肉」なのかな~と思いましたが…

>世の中には、同じくらいの収入がありながら、納税額が少なくて、たくさんのお金を自由に使っているひとたちが存在する。自営業者たちだ。

に,びっくり!

この世を謳歌している中小零細企業ばかりなんて,世間知らずな私でさえイメージできません…

偽装自営業は、ソフトウエア開発などの分野で実際に問題になっていると思います(ソースなくてすみません)。
フリーランスの方々を応援するしくみを作ろうと現在思っているところですが、彼らの最大の心配ごとは「継続して受注を取り続けられるか?」。
AERAでこの記事を企画/執筆された方は朝日新聞社の社員なのか、フリーのライターさんなのか記事を読んでないのでわかりませんが、もし後者だったら幸せな人だなあ。

まずは「公務員法人化計画」を
進めましょうw

こういうのを褒めそやす雰囲気というのはありますねえ。最近の奴では、ダニエル・ピンクの『フリーエージェント社会の到来』とか。なんと玄田有史先生が解説を書いてます。
いいんだけど、3300万人のフリーエージェントたちというかっこいい看板の中味が、フリーランスと臨時社員(=派遣労働者)とミニ企業家だっていうのは、いくら何でも看板に偽りありじゃないの?といいたくなるけど、

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