EUがペドフィル対策に乗り出す
昨日、欧州委員会は包括的な子ども政策を打ち出しました。「子どもの権利を守る新戦略」というもので、子どもの貧困とか性的搾取の問題などが取り上げられています。
http://ec.europa.eu/commission_barroso/president/focus/childrens-rights_en.htm
その中で、子どもに対する性犯罪者の登録制を導入するという案を、フラティーニ司法内務担当委員が語っています。
http://www.eupolitix.com/EN/News/200607/fe73ccee-6553-426d-9aa7-1d1d03bd8e41.htm
ここのところ、日本でもこの手の話題が繰り返されているわけですが、死刑か無期かという話に集中しがちな日本に対して、死刑を廃止しているヨーロッパで「子どもよりもけだものの方が権利を認められている」「ペドフィリアに対してはノー・トレランスだ」というと、そういう連中のデータベースを作って、EUのどこに行っても見張れるようにするということになるんでしょう。今後の動きが注目されます。
<追加>
私が10年前ベルギーに滞在していた頃、有名なデュトゥルー事件が起き、国中が大騒ぎになったことがありますが、またも同じような事件が起きています。
http://www.brusselsjournal.com/node/1139
10歳と7歳の女の子が誘拐され、強姦されて、首を絞められて殺されたようです。犯人はウードというモロッコ系ベルギー人で、前科が一杯。14歳の姪を強姦した罪で1994年に入獄(7歳から性的虐待とも)したのに、1997年には出獄、盗みでまた刑務所に戻り、2000年に出獄したとたんにまた14歳の少女を強姦したとか。ペドフィルは病院に送るということで入院したのですが、昨年12月、医者が治ったといったので監獄から出してしまい、上の少女たちの住む街に住むようになってこの事態というわけ。当局は住民に、こんな危険なペドフィルが来たことを告げなかった。それはベルギー法では違法だから。政府は純真な子どもよりも犯罪者の人権の方が大事らしい、云々。
EUの動きはこれに合わせたわけではないでしょうが、見事にタイムリーな提案になりました。
« パートと年金 | トップページ | EU有期労働指令で初の判例 »
「EUの労働法政策」カテゴリの記事
- 年末年始に、欧州3か国でプラットフォーム労働関係で判決(2021.01.17)
- EU自営業者の団体交渉規則へのロードマップ(2021.01.07)
- EU離脱寸前のイギリスで、ギグワーカーはEU安全衛生指令上の労働者だという判決(2020.12.22)
- EU最低賃金指令案(2020.11.01)
- EU新産業戦略にプラットフォーム労働者対策を予告(2020.03.14)
コメント