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2006年7月 4日 (火)

EUレベルの労働協約

欧州委員会は、EUレベルの労使団体による団体交渉、そして労働協約を軌道に乗せたいと考えています。既にあるじゃないかとお思いかも知れませんが、ETUC、UNICE、CEEPによる交渉と協約は、実のところ、立法プロセスの主要部分を労使に請け負わせたというようなものであって、育児休業とか、パート、有期とか指令ができたとは言っても、本来的意味における労働協約とはだいぶ質が違う。一部の加盟国を除けば、国内レベルでも労使ナショナルセンターが法律作りを代行するというのはあまりやらない。

今欧州委員会が考えているのは、まさに国内で労使がやっているような団体交渉をEUレベルでやらせて、国内で普通に締結されているような労働協約をEUレベルで締結させたいと言うことなんですね。これこそ、究極のEU連邦化です。

去る5月17日に、欧州委員会は多国籍協約に関する研究セミナーというのを開いたようです。その資料がいくつか欧州委員会のHPに掲載されています。

http://ec.europa.eu/employment_social/labour_law/documentation_en.htm#5

これらを見ると、欧州労使協議会指令により多国籍企業に設立された欧州労使協議会においてかなりの数の協約が締結されており、これをてこに法制化を進めていきたいという考え方がにじみ出ているようです。

かなり分厚い報告書の中はで、ローマ条約94条を根拠に、EUレベルの団体交渉と労働協約に法的効力を与える指令を採択するべきということも書かれています。

この動きがこれからどう動いていくか、EU労働法ウォッチャーとしては大変興味あるところです。

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