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2006年6月 9日 (金)

ドビルパン、今度は高齢者雇用

若者向けの試用雇用契約で大失敗してしまったドビルパン首相ですが、なんのなんのくたばってなんぞおりません、今度は高齢者向けの有期雇用契約というのを出してきました。

http://www.iht.com/articles/2006/06/06/news/france.php

フランスは有期契約の締結が制限されているのですが、57歳以上の高齢者についてはそれを可能にするということのようです。それと、65歳までは早期引退を強制するのは違法にするということ。また、年金受給者の就労促進のために、年金と賃金と両方得てもいいこととし、60歳以降も就労する者には年金のボーナスをつけるというのもあるらしい。

若者対策で失敗した分を高齢者対策で取り戻そうということですか。労使双方とも歓迎しているということですから、2度目の失敗ということにはならないでしょうが。

ところで、EU雇用戦略は、2010年までに高齢者(55-64歳)の就業率を50%にまで引き上げるという数値目標を掲げているのですが、フランスは現在38%とかなり劣等生で、気合いを入れて行かないとちょっと目標達成は無理でしょう。かつてフランスを始めヨーロッパ諸国が早期引退促進政策をとったのは若者の雇用対策のためだったわけですが、今年の騒ぎを見ても分かるように若者の失業問題は依然として続いていて、要するにかつて働いて税金や社会保険料を払っていた高齢者が引退して養われる側に移っただけだというのが、現在のヨーロッパのエリートたちの痛切な反省であるわけです。

とはいえ、一旦早く引退しても年金が貰えるという甘い汁を吸ってしまった国民が、そう簡単に働くようになるものかどうか、特にわざわざ有期雇用になってまで働こうとするものかどうか。様子を見ていく必要がありますね。

それと、ちょっと気になるのは、11月30日のエントリーで紹介したマンゴルト判決との関係です。ドイツのハルツ法で導入された52歳以上なら自由に有期契約を結べるよというのを、欧州司法裁判所は年齢差別だといって無効にしてしまいました。同じ理屈からいったら、今回のドビルパンのもアウトじゃないのかなという気がするのですが、どうなんですかね。当然その辺は検討しているはずだと思うんですが。

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コメント

>かつてフランスを始めヨーロッパ諸国が早期引退促進政策をとったのは若者の雇用対策のためだったわけですが
これは、完全に失敗策でしたよね。あの頃、日本も導入するべきだと主張してた人もいましたが、やらなくて良かったと思います。日本の高齢者の就業意欲(特に男性)が高いのは、少子化国であっても他国と違うところだと思います。

まあ、日本はそもそも若年者雇用が問題にならなかったわけです。あのオイルショック後の時期には。なぜならなかったかというと、新卒一括採用システムとか、年功処遇制とか、今批判の対象になっているようなもろもろの「日本的」システムが機能していたからで。
日本で若年者が大きな問題になった頃には、既にヨーロッパは「早期引退促進なんて馬鹿なことをしたあ」と口を揃えていたわけで、まともにそれを導入すべきだと主張していた人というのは、あんまりいないように思います。

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