素案のリーク
今日は日経新聞に労政審労働条件分科会に今日の夕方提示される素案がリークされていますが、
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20060613AT3S1202912062006.html
ちょっと意味不明というか、恐らく記者の法律知識のレベルが低いから、言われたとおりに再現できてないんでしょうが、こんな風に書いてあります。
「残業が月40時間を超す従業員の休日を1日増やしたり、契約期間が一定以上経過した派遣社員・パートの正社員への登用を企業に義務付けるのが柱。少子化の背景にあるとされる長時間労働や低賃金で不安定な雇用を解消するには、雇用規制の強化が必要と判断した」。
多分、厚生労働省労働基準局の担当者は、「契約期間が一定以上経過した有期契約労働者」の「期間の定めなき労働者への転換」と言ったはずです。まあ、それ自体が大変な議論を呼ぶものであるのは確かですが、4月の「検討の視点」で既に提起されている話です。しかし、間違っても、「契約期間が一定以上経過した派遣社員」を「正社員に転換」とは言ってないはず。もしそんなことを言えば、労働者派遣法の根本構造を大転換するという話になりますし、そもそも労働基準局の所管ではない。
それに、確かにある時期まで、パートという言葉が有期労働も含めた非正規労働一般をさす用語として用いられる傾向にあったことは確かですが、短時間正社員が政策課題になってきている時代に、いつまでも有期労働の言い換えとしてのパートという言葉を用い続けることは如何なものかとも思います。
ま、しかし、だいたい素案の内容は予想がつきます。研究会報告に対して労働側が猛烈に反発してきたので、ここまで労働側に飴をつけたよ、というシグナルでしょう。逆にここまで書かれると、経営側は当然猛反発するでしょうが、少子化を錦の御旗に掲げて突破するというのが、事務局の発想なのでしょう。再チャレンジ法案に載せるという報道も一時ありましたが、政治的タクティクスとしては大いにあり得る話です。
労働側としては、どういう反応を示すべきか悩ましいところです。ここまで自分たちに近寄ってきた案を、そうむげに蹴飛ばすわけにもいかないでしょう。
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