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OECDの新雇用戦略

本日と明日の2日間、カナダのトロントでOECDの雇用政策に関する大臣レベル会議が開かれることになっています。

http://www.oecd.org/document/19/0,2340,en_21571361_36276310_36276371_1_1_1_1,00.html

OECDは1990年代初めからEUやILOに先駆けて雇用戦略を進めてきましたが、最近2年間かけてその見直しを行っていました。今回の会議に提出される報告「仕事と収入を増やす」は、その見直しを踏まえて、新たなOCED雇用戦略の枠組みを提示しています。

http://www.oecd.org/dataoecd/47/53/36889821.pdf

A,B,C,Dの4つの柱からなっていて、柱Aは適切なマクロ経済政策。柱Bは失業給付や福祉給付が労働力参加を阻害しないようにというワークフェア的な話。柱Cは柔軟化というか規制緩和の話。柱Dは技能と能力開発の話です。

このうち、柱Cの雇用保護法制のところがやっぱり気になるのでちょっと見てみると、雇用保護法制が過度に厳格な国ではこう改正しろ、と。差別的な不公正解雇は制裁するが、経済的理由による解雇への制約はゆるめろ。

次の有期雇用と派遣労働のところでは、労働市場の二重性を悪化させないように、常用雇用とのバランスのとれた取扱いが必要だ、一つのオプションとしては解雇保護の権利を勤続年数に応じて増やすとか。

この点は、日本にとっても重要な示唆だと思います。日本では、解雇保護が解雇権濫用法理で行われているため、オール・オア・ナッシングで、そのため有期雇用の場合、解雇権濫用法理の類推適用とかいう曲がりくねった論理でオールの権利を得るか、やっぱりだめよでナッシングになるかしかないという大きな欠点があります。

解雇保護を原則的に金銭補償で行うこととすれば、常用雇用であれ、有期雇用であれ、それまでの勤続年数に応じた補償金が払われるという形で一種の均等待遇が実現するわけで、現在進められている労働契約法制の議論でも、そういう観点がもう少しあってもいいのではないかと思われるのですが。

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