業務請負労働者の系譜
昨日、都内某所で某研究会。
いろいろと勉強になった。電機、機械系の工場に業務請負という形で非正規労働者が増えていったのは、80年代にロボット化、ME化が進み、交替勤務が導入される中で、深夜勤のできないそれまでの女性パートを代替する形で導入されていき、それが90年代以降一気に急増してきたという経緯らしい。だから、3Kじゃない仕事なので、時給は自動車工場のようなハードな仕事の期間工よりずっと安くなる。でも正社員並みに働かされる。
また、いわゆる請負4要件というものが存在しているため、コンプライアンスとか適正化ということをいうと、ますます請負会社にきちんとやらせろ、手を出すな、口を出すなという方向にしか行かないというのが、ある意味で最大のパラドックスじゃないかとも感じた。業務請負労働者が、職場の「上司」や組合に苦情を言っても、それに対応しようとするとかえって法違反になる。彼らは孤独に耐えなければならない。
改めて、今の日本で非正規労働の問題を取り上げるのであれば、いまさら「パートっていうな!」。業務請負で全国を漂流するフリーターと呼ばれている若者たちにもっと注目しなくちゃいけないと実感。
会議終了後、ある方がポツリと「これって現代の女工哀史じゃないかしら」。同感。
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