教育基本法案
4月14日のエントリーでコメントした教育基本法案が正式に国会に提出されたようです。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/06042712/003.pdf
ほとんど既にリークされていた条文と同じなのですが、「職業」という観点から細かいところにこだわってみると、やっぱり第5条の「義務教育」が気になります。国民が「その保護する子に・・・普通教育を受けさせる義務を負う」というのは、高校教育を義務化したら、本田先生があんなにも一生懸命伸ばそうとしている専門高校は廃絶されてしまうんでしょうかね。「義務教育として行われる普通教育は、個人の能力を伸ばし、社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家および社会の形成者として必要な資質を養うことを目的として行われる」と麗々しく書かれると、ふうーん、職業教育は「個人の能力を伸ばし、社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家および社会の形成者として必要な資質を養うことを目的として行われ」ないんだ、そうなんだ、どうせね、とすねてみたくなります。論理的には、義務教育でない普通教育も、普通教育でない義務教育もありうるはずなんですが。
もっと嫌みを言うと、大学は「学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く真理を探究して新たな知見を創造」するところなんだそうです。すごいなあ。だったら、最初からそういう人材だけ入れろよな、というのは余計でしょうね。そんな学生だけ入れてたんでは、先生たちが飯の食い上げになっちゃう。しかし、こういうところでこういううつろな規定を平然と置いておいて、国を愛するだの郷土を愛するだのといった文章にばかり熱中できる教育界の方々の神経というのが、私にはなかなか真似のできないところでして。
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