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2006年5月10日 (水)

教育基本法第7条の経緯

引き続き教育基本法の話です。しかし、もちろん、世間の「意識の高い」皆様のように愛国心だの日の丸だ君が代だのといった高尚な話題ではありません。現行第7条という、

http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20060415/p1

の「ツッコミ本番」でもパーペキに無視されまくっている超マイナーな話題です。

日本図書センターというところから復刻版のシリーズで出ている「社会・生涯教育文献集」のⅡの第20巻に、「教育基本法第7条の成立過程に関する実証的研究-職業技術教育の位置づけに関連して」という」短い論文があります。著者は依田有広という人です。

これは、今回の教育基本法改正で削除されてしまうことになっている「勤労の場所」における教育という規定が、基本法制定時にどういう経緯で設けられたのかを追った研究です。

ここでは、教育刷新委員会における審議経過や、特にその第一特別委員会の「教育基本法案要綱案」において「国及び公共団体は教育の目的を達成するため、家庭及び学校における教育活動のほか、あらゆる手段方法による教育の実施に努力しなければならない」「工場、事業場、その他国民の勤労の場においてなされる教育の施設は国又は公共団体によって奨励せられるべきである」とあること、その後の文部省内での立案活動の経緯などから、職場における職業教育訓練が社会教育の一環であり、教育基本法の規制する領域であることが示されていると述べています。

そして、「教育基本法第7条の立法者意思に示されている職業訓練の社会教育における位置づけは、日本国憲法における教育権の理念に合致する」としつつ、「今日一部の人々が考えている社会教育の範疇は、・・・いわば文部省所管事項としての社会教育の範囲内に不当に限定している嫌いがある」と批判し、「憲法・教育基本法制における職業技術教育の位置づけが曖昧にされてしまう」とも批判しています。

まさにそういう発想の延長線上に、今回の改正案があるのでしょう。そんなんでいいんですかね。

この論文の次に、同じ依田さんと小野征夫さんによる「戦後社会教育草創期における労働者教育構想の意義」という短い論文も載っています。戦後初期には、労働者教育もこの「勤労の場所における社会教育」の重要な一環と考えられていたようです。まあ、当時は労働組合教育が中心に考えられていたということもあるのでしょうが、労働省と文部省の権限争いになり、労働省労政局に労働教育課というのも作られたりしましたが、やがて廃れてしまいました。しかし、教育基本法というのは一文部省の私有物ではないはずです。労働者として生きていく上で必要な労働に関する一般教育という意味で考えれば、どこが所管しようが重要な問題であるはずで、これがすっぽりと落ちていくというのもいかがなものかという気がします。

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