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2006年4月 5日 (水)

非正規労働者の行方

本日も都内某所で某研究会、

いろいろと感じたこと、

非正規労働者が増えることで、職場の自主管理活動がどのように変容していったのか。職場レベルで仕事をどう分担し、割り振っていくかとか、どういう風に改善していくかといった、末端の労働者一人一人が何らかマネージャー的心性を分かち持って進めていく活動が。

正社員だけで活動していくということだと、非正規労働者がどんどん増えていくと、しまいには管理監督者しかいなくなってしまいかねない。それでは末端の労働者を企業にインボルブするという目的は達し得ない。しかし、非正規労働者をそういう生産性への貢献面においてフルメンバーとして扱いながら、その生産性向上の成果の分配面においてはアウトカーストとして扱うというようなことは難しいだろう。

労務の提供がすなわち顧客へのサービスの提供そのものである流通・サービス業では、おそらく何らかの形で彼らをマネジメントサイドにインクルードすることにより、提供するサービスの質の維持確保を図るという方向性を模索せざるを得まい。一方、製品というクッション越しでしか顧客と接しない製造業では、むしろそこは割り切って、作業内容をマニュアル化し、できる限り入れ替え可能にした上で、職場の正社員が品質の維持に責任を持たされるという方向か。

しかしそれでも、現場の組長クラスが、請負で働く労働者の不平不満を吸い上げ、経営側を通じて請負業者に働きかけるといったメカニズムも自成的に生じているようだ。そうでなきゃ、正社員が大変で参ってしまうということらしい。

長期的に考えれば、20世紀初頭には日本でもアメリカでもボス労働者が工場内で仕事を請け負って、自分の子分に割り振っていたわけで、それが直接雇用、直接管理の方向に進んできたのが、ここ十数年間逆転しだしたということだろう。労務コスト面では確かにメリットはあるんだろうが、間接管理であることのデメリットが今後どこまでどういう形で吹き出してくるかというのが一つのポイントかな。

少なくとも、今のクリスタルみたいなビジネスモデルが未来永劫サステイナブルとは到底思えないが、むしろアメリカのPEOみたいに、工場丸ごと請負という方向だろうか。

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