『積極的な最低生活保障の確立』
第一法規から『積極的な最低生活保障の確立-国際比較と展望-』という本が出版されました。オビの文句は「日本の最低生活保障は格差の底から抜け出すための支えとなっているか」。ここのところ、格差問題が急速に政策のアジェンダとして大きく持ち上がってきている状況に、まあある意味でピタッとはまるように出されることになりますね。
第Ⅰ部が総論で、栃本先生が書かれています。第Ⅱ部は先進各国の状況で、武川先生がイギリスを、布川先生がドイツを、大森先生がオランダを、宮寺先生がスウェーデンを、後藤先生がアメリカを担当されています。その後ろの第Ⅲ部で、私が「EUにおける貧困と社会的排除に対する対策」を書き、最後に岩名さんが比較を試みておられます。
私の担当した部分は、おそらく現在までの所、EUの社会的排除政策に関するもっとも詳しい紹介になっているのではないかと思います。仕事をする方が得になるようにするという「メイク・ワーク・ペイ」の考え方や、この2月に行われた労働市場排除者の統合に関する協議まで、わりとごく最近の動向を豊富に盛り込んでいますので、それなりにお役に立つのではないかなあ、と。
« ミュンテフェリンク副首相(労相)は産業別最低賃金がお好き? | トップページ | 再チャレンジ推進会議 »
「EUの労働法政策」カテゴリの記事
- 年末年始に、欧州3か国でプラットフォーム労働関係で判決(2021.01.17)
- EU自営業者の団体交渉規則へのロードマップ(2021.01.07)
- EU離脱寸前のイギリスで、ギグワーカーはEU安全衛生指令上の労働者だという判決(2020.12.22)
- EU最低賃金指令案(2020.11.01)
- EU新産業戦略にプラットフォーム労働者対策を予告(2020.03.14)
コメント