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2006年4月 4日 (火)

労働組合法施行60周年

日本労働研究所というところから出ている『日労研資料』という雑誌の最新号(2006年4月号)に、歌田徳一さんという方の標記のエッセイが載っています。この方は「労働問題研究者」と名乗っていらっしゃいますが、かつて長く労働省に在職され、労政畑で活躍された方です。といっても、私が入省する頃に退官されているので、全然接点はありません。

旧労組法は1945年12月に制定され、翌1946年3月に施行されていますので、確かに今年3月が施行60周年だったわけですが、歌田さんは「労組法60周年を記念しようとする動き全く見られないのは如何のものか」と不満を漏らしていますが、まあこれは本筋の話ではありません。

彼が強調するのは、「・・・こうした退潮の中で、昨年来の労働契約法制検討において、労使協議会の設置について議論されてきている。筆者は労使協議会の設置を法定するとした場合、労働組合法との間にどうバランスをとるのか、かねがね問題あり、と思っている」という点です。ここはまさに、私も大きな問題だぞと喚いてきている点であり、旧労政局が廃止されて以来、こういう労政的感覚で労働契約法制にアプローチできる人材が払底してきているんじゃないかとかねがね感じているところでもあったので、思わず我が意を得たりと思ってしまいました。

あまり世間に出回っていない雑誌ですので、もう少し引用すると、「さて、労使協議会を法定するとなるならば、その労働者代表の定義規定はどう定められるのだろうか。もし名前だけの管理職も労働者代表と認め、労使協議会の委員とするならば、あるいは労働者委員が仲間の意見を聴取したり、協議会に臨むための準備のために労働時間内活動を行ったりする場合の賃金等経費支払いをどうするかなど、労働組合法との調整を要する問題があるはずである。」といくつかの問題点を指摘しています。

私は、それとともに、労働契約法制研究会報告書では、過半数組合と労使委員会を併記する書き方になっていることからも、労使委員会に管理職の参加を認めたり、使用者からの経費援助を認めたりするのであれば(当然そうあるべきだと思いますが)、過半数組合にも同様の権利を認めないと不公平になり、組合結成に対する負のインセンティブを与えることになります(同じ機能を果たすのに、組合でなければ会社のカネで運営できるのに、組合になってしまうと自分たちの組合費だけで賄わなければならない)から、これは喫緊の問題だと思っているわけです。

そこまでは「我が意を得たり」だったのですが、その先読んでいくと思わぬ形で歴史の裏面(というほどのものでもありませんが)を覗き込むことになりました。かつて、労使関係法研究会というのがあって、1966年に報告書を提出しているんですね。これは4冊にわたる大部の報告書で、私は入省当時、国会待機時間中を利用して繰り返し読んだ記憶がありますが、その中で、管理職の参加や使用者の経費援助を受ける組合を定義から否定し、不当労働行為として禁止する法制について、憲法28条から疑問を呈し、再検討を求めていたのですね。

で、歌田さん曰く「筆者は膨大な時間と労力を費やしてまとめられた上記研究会報告に基づく労使関係法の改正を主張してきたが、全く問題とされなかった」。へえ、そういうことがあったんだ、という感じです。実は、私は昨年、国会図書館で政策形成過程についてお話しした際に、この労使関係法研究会にも触れたんですが、「労働省における研究会としては、実は1959年に設置され、60年代、70年代に膨大な報告書を出した労使関係研究会が嚆矢であるが、この時期には法改正に向けた政策文書という性格は有さなかった」と言ったんですが、それは外から見た結果論であって、行政内部では立法化論がちゃんとあったんですね。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/ndl.html

で、歌田さんはそういう話を「ある著名な労働法学者に話してみた。大いに発言してくれとは言っていたが、腰は引けていた」んだそうです。

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