リストラと労使交渉に前進あるか?
3月23日に、EUサミット(欧州理事会)と時期を合わせて、EUの労使サミットが開催され、そこでEUレベル労使団体の新作業計画(2006-2008)が正式に公表される予定です。
これについては、実は既に1月25日に「欧州労使は交渉をとりまとめた」という簡単な記事がETUCのHPに載っていました。
残念ながら、どういう中味かは全然書いてくれていないのですが、ずっと懸案になっているリストラに対する対応方策が一つの柱になるのは間違いないと思われます。これはそもそも2002年に第1次協議が行われた後、労使間でケーススタディを行い、その結果を2003年にオリエンテーションという名の共同文書にしたのですが、欧州委員会側は不服で、2005年に再度第2次協議を行っていたものです。何らかの対応をしなければ、欧州委員会側が立法措置に出ないとも限りませんし、最近(2月9日)、欧州議会の雇用社会問題委員会が、リストラについて立法措置を講じろという意見書を採択したりしていることもあり、
UNICEとしても何らかの前向きな姿勢は示しておく必要はあるはずです。
もう一つ、これはどうなるかわかりませんが、私が関心を持っているのは、EUレベルの団体交渉システムの確立の問題です。これも、昨年の新社会アジェンダや上記第2次協議で欧州委員会から示唆されているものですが、一方で最近のエントリーからわかるように、サービス指令案によるサービス提供の完全自由化の中で、これまで純粋に国内問題でしかなかった労働協約による労働条件決定システムを、何らかの形でEUレベルで検討していかなければならないという問題意識が高まってきています。
こちらは土俵設定そのものをどうするかという大変大がかりな問題ですので、そう簡単に方向性が出るとも思われませんが、注目していきたいと思います。
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