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2006年3月27日 (月)

中村圭介氏の『成果主義の真実』

一見すると、薄っぺらな成果主義マンセー本か、「虚妄」本みたいなタイトルですが、そこは中村先生のこと、結構深いですよ。

http://www.toyokeizai.co.jp/CGI/kensaku/syousai.cgi?isbn=26080-3

読んでいて、一番膝を叩いたのは「成果主義を論じるとき、多くの人は、成果とは何か、成果をいかに測定するかに関心を向ける。だが、それは、やや的外れの議論なのだ。成果主義は何よりも賃金制度改革である。賃金に何が生じたのか。これにこそ焦点を当てる必要がある」という一節(99頁)です。

それが一番よく顕れているのが、本書で「意識的な分離型成果主義」と名付けられているトヨタの事例でしょうが、意図せざる分離型と呼ばれている某情報通信企業も、成果主義先進企業として注目を浴びた某電機メーカーのプロセス重視型成果主義も、年功的運用により総額人件費の増大をもたらしていた職能資格制度の改革と見ると、大変わかりやすいのです。

ここから思いつきでコメントすると、90年代以来、インフレーションなら名目賃金上昇を抑制するというやり方で可能であった実質賃金コストの引き下げが、デフレーションの中で困難になってしまったという状況の中で、大竹先生の云われる「既存労働者の既得権」を削るいかにももっともらしい手段として、成果主義はそれなりに機能したのではなかろうか、という気がします。だから、そもそも若い世代に適用するような話ではないし、高橋伸夫先生が「育てる経営」の重要性を強調されるのと、本質的には全然矛盾しないんじゃなかろうか。

<追記>

労務屋さんが本書を書評しておられます。

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20060822

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