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2006年3月 8日 (水)

均等法と能開法の改正案提出

昨日、男女雇用均等法の改正案と職業能力開発促進法の改正案がそろって閣議決定され、無事国会に提出されたようです。とりあえずご苦労様というところです。課長補佐以下はしばらく激務から解放されて、予算が通って後厚生労働委員会で法案審議が始まるのを(想定問答集を作りながら)待つというところですね。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/164.html

まずは中味の重い均等法から。

男女共通規制という理念は第1条から出ています。これまでは「女性労働者が性別により差別されることなく」だったのが、「労働者が性別により差別されることなく」となり、女性は「また、女性労働者にあつては母性を尊重されつつ」というところで初めて出てくる。

男女雇用機会均等対策基本方針は、これまでは「女性労働者の職業生活の動向に関する事項」を書いておけばよかったのですが、これからは「男性労働者及び女性労働者のそれぞれの職業生活の動向に関する事項」を書かないといけません。

メインの「女性労働者に対する差別の禁止等」も「性別を理由とする差別の禁止等」となり、「女性であることを理由として、男性と差別的取扱いをしてはならない」というのが「労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない」となり、ここでこれまで各条ごとに書いていたのを各号列記にして、新たに「労働者の職種及び雇用形態の変更」というのと「退職の勧奨・・・並びに労働契約の更新」などが加えられています。

定年や解雇と一緒に規定されていた婚姻・妊娠・出産を理由とする退職の定めや解雇禁止は、独立の条になり、不利益取扱いの禁止も規定されました。また、これは実は結構大きい意味があるのではないかと思うのですが、「妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。」という一種の挙証責任転換規定が設けられています。これが妊娠中出産後の解雇だけに適用されるべき筋合いはよく考えるとないようでもあり、EUでは差別問題に関しては原則として挙証責任が転換されていることなども考え合わせると、今後どういう風になっていくか興味深いところです。もっとも、これを挙証責任の転換と見ること自体が間違っているという見解もあり得ましょう。これはむしろ労基法19条のような一定期間に対する解雇制限規定なのであり、ただ使用者側に弁明を許しているだけだと見ることもできます。だとすると、これはこれだけの話ですね。

一番ホットな問題となった間接差別は、そういう言葉では出てきません。標題は「性別以外の事由を要件とする措置」です。ちょっと長々しいですが、条文を引用しますと、「事業主は、募集及び採用並びに前条各号に掲げる事項に関する措置であつて労働者の性別以外の事由を要件とするもののうち、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令で定めるものについては、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。」意味のある部分は「実質的に」「差別となるおそれ」というところですね。これは「間接差別」を定義したといえるのか、それとも「差別」だけでなく一定の「差別のおそれ」も禁止するということなのか、まあ、そもそも差別を定義していませんから、こういう議論にもあまり意味はありませんが。

あと、紛争調整委員会の調停手続について、関係者の出頭を求めて意見を聞くことができるとか、解決の見込みがなければ打ち切るとか、時効の中断とか訴訟手続の中止とか、紛争処理制度としての規定の整備がされていますね。

労働基準法の方は、これはなんと大きな改正があります。第6章の2の「女性」という標題が消えます。実質的には1997年改正で女性保護規定はほとんどなくなっていたのですが、今回改正される坑内労働だけはとにかくおんなであればだめという規定を残していたので、「女性」が規制対象だったのですね。それが「妊産婦等」になります。役人根性ですぐこの「等」の中味は何だといいたくなりますが、「坑内で行われる業務のうち人力により行われる掘削の業務その他の女性に有害な業務として厚生労働省令で定めるもの」は、妊産婦でない一般女性もやっぱり今まで通り禁止されるということなので、それじゃあ、章題を変える必然性はないんじゃないのという感じもしないではありませんが。

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