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2006年3月24日 (金)

欧州労使の作業計画2006-2008

昨日(3月23日)、EUサミット(欧州理事会)に先立って、欧州労使団体によるソーシャル・サミットが開催され、3年ぶりに欧州労使の作業計画2006-2008が公表されました。

http://212.3.246.117/1/CIDJHHAADEGHLFNGLNJEGDIHPDBN9DBKWN9LI71KM/UNICE/docs/DLS/2006-00416-EN.pdf

既に14日のエントリーで紹介しているように、2月からハラスメントと暴力に関する自発的協約の締結に向けた交渉が開始されていますが、これを2006年中にやると明記しています。セクハラ以外の職場のいじめ問題に対して、欧州労使がどういう解を出してくるか興味深いところです。

同じく協約締結を明言しているものとして、「労働市場における不利益を被っている集団の統合又は生涯学習に関する自律的枠組み協約に向けて交渉する」というのがあります。この英語の構文がよくわからないのですが、either・・・orはどっちかをやるというのか、どっちもやるといってるのか、わざとそこをぼかしているのか、またこの両者の関係はどういうことなのか、なんだかよくわかりません。前者は、こないだ欧州委員会から協議が開始された「労働市場から排除された人々の統合」とつながっているようでもありますが、さて。

大きな関心を持たれていたのは、13日のエントリーで書いたように、リストラ問題です。これについては、大変わかりにくい表現ですが、「EU10カ国における経済社会変化に関する研究を完了し、これをEU15カ国に拡大し、これを基礎に、変化とその社会的帰結のマネージに関する参照オリエンテーション及び欧州労使協議会に関する得られた共同の教訓を促進し、評価する」と述べています。

これについては、UNICEのセリエール会長の発言が理解の助けになります。

http://212.3.246.117/1/CIDJHHAADEGHLFNGLNJEGDIHPDBN9DBKWN9LI71KM/UNICE/docs/DLS/2006-00416-EN.pdf

昨年、欧州委員会はリストラと欧州労使協議会の見直しについてなんか言ってきたけど、この研究の完成が一つの答だね、報告も作ったよ。ETUCがこれに参加してくれたのは大変うれしい云々。要するに、俺たちでうまくやるから、役人は余計な手出しをするな、と、こう言いたいわけです。

そのUNICEが作った報告がこれ。

http://212.3.246.117/3/CIDJHHAADEGHLFNGLNJEGDIHPDBN9DBKWY9LI71KM/UNICE/docs/DLS/2006-00411-EN.pdf

「リストラクチュアリング:マネージング・チェンジに関する労使の活動に関する報告」という題の小冊子ですが、その結論のところで、EUや各国の情報提供。協議に関する法制は値打ちがありますよ、経営側と労働側に協調的文化を構築し、変化に対応することに役立ってきました、だけど、多重で複雑な情報・協議システムはコストがかかる、リストラのプロセスを不必要に遅らせるのは反生産的だ、なぜなら必要な変化が延期されると却ってマイナスの社会的帰結が増えてしまう云々、とさらなるリストラ規制に対して予防線を張っています。

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