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2006年1月26日 (木)

多様就業型ワークシェアリング制度

先週19日に、厚生労働省の多様就業型ワークシェアリング制度導入実務会議の報告書が発表されました。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/01/dl/h0119-1b.pdf

えっ?ワークシェアリングなんてまだやってたの?という反応が返ってきそうですね。

2001年から政労使で検討会議を開き、2002年には政労使合意が結ばれ、大いに盛り上がりましたが、その後急速に関心が失われ、下手すると死語扱いされかねないワークシェアリングですが・・・(ってなことをいうとお叱りを受けそうですが)・・・着実にこういう検討を進めていたんだなあと、感慨にふけられる方もいるかも知れません。

とはいえ、実はこの会議でずっと検討されてきたのは、世間の人がワークシェアリングという言葉ですぐに思い浮かべることとはちょっと、というか、かなり次元の違う話だったのです。

あのころの政策文書を読み返してみると、ワークシェアリングという言葉で通常思い浮かべること、というよりも世界どこでもそういう意味にしかならないのですが、失業者も含めて全ての労働者で仕事を分かち合おうという考え方はフランス型とかいって横に置かれていて、実は検討の対象になっていないのですね。

そこで検討されていたことの一つは緊急避難型といって、ドイツのフォルクスワーゲンがモデルだとかいってましたが、いやそれより日本の70年代の雇用調整をモディファイしたようなものでした。これは助成金も作られましたが、もうあまり関心を引いていません。

もう一つ、これこそがこれからのワークシェリングだという鳴り物入りで打ち出されたのが、オランダ型とかいって、短時間勤務を導入して仕事を分かち合うんだという話、これが今回の報告書に連なる「多様就業型ワークシェリング」って奴のはじまりです。

このあたり、昔流行ってた頃にあるところで喋ったことがあります。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/shaminken.html

しかし、実際のところは、もはやワークシェアリングというのはお題目であって、仕事と生活の調和という観点からも大変意義のある短時間勤務とか在宅勤務という多様な就業形態を、どういう風に円滑に導入していきましょうか、という話になっていたようです。

これは別に悪いことではありません。とても大事な政策課題であることは明らかなのですから。古いお題目が余計なだけで。

この報告書が打ち出している目玉商品が「短時間正社員制度」という奴です。これはフルタイム正社員より所定労働時間は短いが、いまのいわゆるパートさんとかアルバイトとは違って正社員として働く人々というものです。ここでは具体的に制度を挿入するための手順と課題の解決策を詳しく示しているだけでなく、付録として制度導入マニュアルというのもつけています。

と、聞いてくると、それって、もしかして、2003年のパート指針でいってる均衡処遇の話とつながるんじゃない?とお感じになるのではないかと思います。まさに正解、実はこの検討会議、ワークシェアリングというお題目を載っけてはいますが、事務局はパートや在宅就労を担当している雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課というところです。まさに、そういう話を検討してきたわけです。野党や組合はすぐヨーロッパ並みに均等待遇とか言うけれども、働き方が全然違うんだから、まず働き方が同じ時間は短いけど正社員というのを作らなくちゃということですね。

ということで、これはどちらかというと主として女性の生活と両立した働き方という点に着目した、少し前にはやった言葉で言えばワークライフバランスをにらんだ政策ということになるでしょう。その意味では、この報告書は大事なことがいっぱい書いてあり、多くの企業関係者に読まれてほしいと思います。

ところが、世の中の移ろいゆく流れはいと早く、現在世間で一番関心が集中している労働問題というと、フリーターだ、いやこれもちょっと古いな、働かないニートだ、いやいや構内請負で全国を漂流する連中だ、正社員で週60時間以上働かされている若者だっているぞ、何だかんだと、若者がやり玉に挙げられています。

そうなってくると、話の作り方もまた変わってくるのではないかという気がします。ワークシェリングという言葉を、世間の流行とは切り離して、根源的に、社会的な雇用と労働時間と生活時間の適切な配分の仕方という意味で考えるならば、実はこの若者の労働問題こそがもっともふさわしい領域であるようにも思われます。

でも、たぶん、もうこんなナウい言葉を使うことはないんでしょうね。

P.S.この検討会議には、「吐息の日々」でおなじみの労務屋さんも参加されています。

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