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日焼け防止も使用者責任!?

去る12月6日、閣僚理事会と欧州議会は、光学放射安全衛生指令案に関して合意に達した、と発表した。

http://ue.eu.int/ueDocs/cms_Data/docs/pressData/en/misc/87430.pdf

これが中味をよく見るとなかなか興味深い。まず、普通、この手の奴では、欧州議会側が規制強化を要求し、閣僚理事会側がそれを抑制しようとする方に回るというパターンが一般的なのだが、本件についてはそれが逆になっている。

内容的には、閣僚理事会側が自然の光学放射・・・つまり太陽光に当たることも対象に含めようとしていたのに対し、欧州議会側は人工の光学放射のみに対象を限定すべきだと主張していた。

今年の4月に、閣僚理事会が太陽光曝露も対象に含める共通の立場を採択したあと、使用者側はかなり強く欧州議会に対してロビー活動をしたようだ。特に先頭に立ったのはUEAPMEという中小企業団体で、建設業のようないつも従業員が屋外で作業しているような中小企業では、常に太陽光に当たるリスクを測定してそれを減少させる措置をとれと言われたってできるわけがない、と主張した。

それに、太陽光への曝露のリスクは屋外にいる限り一般大衆にも同じようにかかるのだから、どうしてもやるというなら一般大衆向けにやってくれ。

UNICEもこれに同調し、もっぱら生産過程におけるリスクへの対処の問題と、太陽光のような公衆衛生の問題を一緒くたにするな、と批判した。労働者がどこで太陽光に当たるかなんて、全部使用者が責任を負えるものか、というわけである。

こういう声を受けて、9月の欧州議会の票決では、自然光は対象から外す(正確には加盟各国に委ねる)という修正が行われた。欧州委員会はかなりこれを残そうという動きをしたようだが、結局今回の合意で、使用者側の意見に沿った形で決着したことになる。

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