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2005年12月 8日 (木)

ETUC労働時間指令に緊急声明

本日予定されている労働関係の閣僚理事会を前に、欧州労連(ETUC)の執行委員会は労働時間指令の改正問題に対して緊急声明を発表した。

http://www.etuc.org/a/1831

先日のフランスの待機時間に関する欧州司法裁判決もあり、ここでイギリス主導の形で一気に政治的合意にまで行ってしまうのではないかという危機感あふれる内容となっている。

ETUCはイギリス案を「労働時間指令を労働時間買い物リストに変えてしまう物」だと非難している。それによると、加盟国は好きなようにオプトインないしオプトアウトすることが出来るようになり、これはEU条約や基本権憲章に対するあからさまな無視であり、社会的ヨーロッパの埋葬を告げるものだというのだ。

しかし、いかにETUCが職場の待機時間は全て労働時間と見なされるべきだ、欧州裁判所がそういってるじゃないか、と言ってみても、これは大陸欧州諸国にとっても背に腹は代えられない事態であって、とにかくこれじゃ病院が成り立たない、なんとか救急医療がうまく回るようにしてくれという医療行政サイドの要望を無視するわけにはいかない。

そうすると、イギリスの要求を容れてもここで妥協して早く指令を改正してしまいたいと、まあ各国は考えるのでしょうね。それともやせ我慢するかな。どうなるかはいずれあと半日後にわかるわけですが。

ついでに、EC条約の規定を確認。

第226条曰く、欧州委員会はいずれかの加盟国が本条約に基づき負っている義務を履行しなかったと認めるときは、理由を付した意見を発表し、当該加盟国がこれに従わないときは欧州司法裁判所に付託する。今の指令のままなら当然欧州司法裁判所は加盟国の義務不履行を認定するから、その国は膨大な違約金を払わないといけなくなる。フランスのような指令に違反しているけしからん国は当然この対象になる。待機時間について違反になる国の数は20カ国に上るんだそうな。

そして、第227条、各加盟国は、他の加盟国が本条約に基づき負っている義務のいずれかを履行しなかったと認めるときは、当該事件を欧州司法裁判所に付託することができる。なんと、イギリスがフランスその他を労働時間指令違反で訴えちゃうことができるのだ。いままでええかっこしやがってざまあみろ、というかどうかは別にして、これは結構な武器である。

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